シングルマザー・ひとり親の賃貸物件の探し方|入居審査と住まい支援を解説

ひとり親だから「賃貸を借りられない」と決まっているわけではありません

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離婚や別居をきっかけに、新しい住まいを探すことになったとき、

「ひとり親でも賃貸住宅を借りられるだろうか」

「収入がそれほど多くないけれど、入居審査は大丈夫?」

「連帯保証人を頼める人がいない」

「子どもと安心して暮らせる家をどうやって探せばいい?」

と、不安になる方もいるでしょう。

ただ、ひとり親であるという理由だけで、賃貸住宅を借りられないと決まっているわけではありません。

一方で、

「この方法なら必ず審査に通る」

「この物件ならひとり親でも大丈夫」

と一律に言うこともできません。

民間賃貸では、物件や貸主、管理会社、家賃債務保証会社などによって契約条件が異なります。

また、住まいの選択肢は民間のアパートやマンションだけではありません。

この記事では、

  • 民間賃貸住宅を探すときの確認ポイント
  • 連帯保証人がいない場合の家賃債務保証
  • UR賃貸住宅
  • 市営・県営などの公営住宅
  • 住宅セーフティネット制度
  • ひとり親家庭向けの住宅支援
  • 住まい探しを一人で進めにくい場合の支援

について、公的な情報も確認しながら分かりやすく紹介します。

「借りられるか、借りられないか」の二択ではなく、自分と子どもに合った住まいの選択肢を一つずつ探していきましょう。

民間賃貸の入居審査では、何を確認される?

一般的な民間賃貸住宅では、物件を申し込んだ後に入居審査が行われます。

審査の方法や基準は、貸主、管理会社、家賃債務保証会社などによって異なるため、

「年収がいくらあれば必ず通る」

といった共通の基準があるわけではありません。

申し込みの際には、一般に、

  • 本人確認ができるか
  • 家賃を継続して支払える状況か
  • 必要な書類を提出できるか
  • 連帯保証人や家賃債務保証など、物件の契約条件を満たせるか

などについて確認されます。

大切なのは、

「ひとり親だからどう見られるだろう」と必要以上に不安になるより、その物件では何が必要なのかを先に確認することです。

例えば、

「現在の収入で申し込める物件ですか」

「連帯保証人は必要ですか」

「保証会社を利用する物件ですか」

「どのような収入証明書が必要ですか」

と、不動産会社へ申し込み前に確認できます。

条件に合わない物件へ何度も申し込むより、最初から事情を伝え、条件に合う物件を探す方が住まい探しを進めやすくなります。

申し込む前に確認したい4つのポイント

物件を見つけたら、家賃だけで決めず、契約後の生活まで考えて確認しましょう。

1.無理のない家賃か

毎月必要なのは家賃だけではありません。

管理費・共益費、駐車場代、光熱費、通信費なども生活費として必要になります。

子どもの教育費や食費なども含め、入居したあと継続して支払える金額かを考えることが大切です。

「審査に通る家賃」ではなく、

「その後も安心して暮らし続けられる家賃」

という視点で考えましょう。

2.必要書類は何か

入居申し込みでは、本人確認書類や収入を確認できる書類などを求められる場合があります。

必要書類は物件によって異なりますので、申し込み前に不動産会社へ確認しておくと安心です。

3.連帯保証人・保証会社の条件

連帯保証人を求められる物件もあれば、家賃債務保証会社を利用することが契約条件になっている物件もあります。

保証料などの費用も含めて確認しましょう。

4.初期費用はいくらか

敷金・礼金、仲介手数料、保証料、前家賃、火災保険料、引越費用など、入居時にはまとまった費用が必要になる場合があります。

家賃だけでなく、入居までに総額でいくら必要になるかを確認してから申し込むことをおすすめします。

連帯保証人がいない場合は?家賃債務保証という仕組み

「親やきょうだいに連帯保証人を頼めない」

という方もいるでしょう。

現在の民間賃貸では、連帯保証人の代わりに家賃債務保証会社を利用する契約もあります。

家賃債務保証とは、借主が家賃を支払えなくなった場合などに、契約内容に基づいて保証会社が貸主側へ家賃債務を保証する仕組みです。

国土交通省には、一定の要件を満たした家賃債務保証業者を登録・公表する制度もあります。

ただし、

保証会社を利用すれば、どの物件でも必ず契約できるわけではありません。

保証会社を利用する場合にも、所定の確認・審査があります。

また、保証料や保証範囲なども会社や契約内容によって異なります。

ですから、

連帯保証人がいない ↓ 賃貸住宅を借りることはできない

とすぐに諦めるのではなく、

「保証会社を利用できる物件か」「ほかに利用できる住宅制度はないか」

まで確認してみましょう。

連帯保証人がいないなら「UR賃貸住宅」も選択肢

民間賃貸とは少し違う選択肢として、UR賃貸住宅があります。

UR賃貸住宅では、連帯保証人も家賃債務保証会社も原則として必要ありません。

そのため、

「連帯保証人を頼める人がいない」

という方にとっては、確認する価値のある選択肢です。

ただし、

「URなら誰でも借りられる」「民間より審査が甘い」

という意味ではありません。

URには独自の申込資格があり、世帯人数や家賃額などに応じて、一定の収入・貯蓄等の基準を満たす必要があります。

物件によって家賃や立地も異なりますので、

  • 希望する地域に物件があるか
  • 家賃は無理のない金額か
  • 自分が申込資格を満たしているか

を確認してみましょう。

民間賃貸だけを見て、

「保証人がいないから難しい」

と感じている場合には、条件の仕組みが異なる住宅も含めて探してみることが大切です。

公営住宅では、ひとり親世帯が優先対象になる場合があります

住まいを探すときには、市営住宅・県営住宅などの公営住宅も選択肢になります。

公営住宅は、住宅に困っている一定の所得以下の方などを対象として、地方公共団体が提供する住宅です。

さらに国土交通省は、住宅に特に困窮している世帯について、地方公共団体の判断で募集・選考時に優先的に取り扱うことができる「優先入居」の仕組みを案内しています。

その対象例には、

母子・父子世帯を含む子育て世帯

も挙げられています。

ただし、ここは注意が必要です。

「ひとり親なら必ず優先して入居できる」という制度ではありません。

募集方法、所得基準、優先枠の有無、抽選方法などは、自治体や住宅によって異なります。国土交通省も、優先入居の取扱いは地方公共団体によって異なるため、各自治体へ確認するよう案内しています。

そのため、

「○○市 市営住宅 ひとり親」 「○○県 県営住宅 母子世帯」

など、お住まいの地域名と合わせて検索してみるのも一つの方法です。

民間賃貸だけでなく、公営住宅の募集情報も一度確認してみる価値があります。

「住宅セーフティネット制度」と居住支援法人も知っておきたい

「不動産会社を何軒か回ったけれど、なかなか住まいが見つからない」

そんなときには、住宅セーフティネット制度についても知っておきましょう。

住宅セーフティネット制度では、

  • 低額所得者
  • 高齢者
  • 障害者
  • 子どもを養育する方

など、住まいの確保に配慮が必要な人を「住宅確保要配慮者」としています。

そして、その住まい探しを支援する仕組みの一つが居住支援法人です。

国土交通省によると、居住支援法人は都道府県の指定を受け、

  • 賃貸住宅の情報提供・相談
  • 入居に関する支援
  • 家賃債務保証
  • 入居後の見守りなどの生活支援

を行う法人です。実際にどの支援を行っているかは法人によって異なります。

2025年10月には改正住宅セーフティネット法も施行され、居住支援を地域で進める仕組みが強化されています。

つまり、

「普通の不動産会社で部屋を探す」だけが住まい探しではありません。

住まいの確保に困っている場合には、お住まいの地域の居住支援法人や自治体の住宅相談窓口を探してみる方法もあります。

ひとり親家庭には、住居費を支える制度もあります

家を借りることができても、

「毎月の家賃を支払い続けられるか心配」

という問題もあります。

そこで確認しておきたいのが、ひとり親家庭を対象とした公的な支援制度です。

こども家庭庁では現在、一定の条件を満たすひとり親家庭を対象に、

「ひとり親家庭住宅支援資金貸付」

を案内しています。

自立に向けて取り組んでいる、児童扶養手当を受給しているひとり親世帯などを対象に、

月額上限7万円を原則12か月

貸し付ける制度です。

さらに所定の条件を満たして1年間就労を継続した場合、一括償還免除となる仕組みが案内されています。

ただし、これは、

「ひとり親なら誰でも家賃を7万円もらえる制度」ではありません。

「給付」ではなく原則として貸付であり、利用には対象要件があります。

また、詳しい条件や申請窓口については、お住まいの都道府県・指定都市等へ確認する必要があります。

自治体によっては、このほかにも住まいや転居に関する独自の支援制度を設けている場合があります。

住まい探しと同時に、

「自治体名+ひとり親+住宅支援」 「自治体名+ひとり親+家賃」

などでも確認してみましょう。

住まい探しを一人で進めにくい場合は、支援を利用する方法も

ここまで見てきたように、ひとり親家庭の住まい探しには、

  • 民間賃貸住宅
  • 家賃債務保証
  • UR賃貸住宅
  • 公営住宅
  • 住宅セーフティネット制度
  • 居住支援法人
  • ひとり親家庭向け住宅支援

など、複数の選択肢があります。

そして、

「どこから探せばいいのか分からない」 「連帯保証人がいない」 「希望に合う部屋を一人で探すのが大変」

という場合には、民間の住まい探し支援を利用する方法もあります。

この養育費保証サービスでは、養育費保証に加えて、住まい探しについての相談や、希望条件に合わせた部屋探しのサポートも用意されています。

公式情報では、連帯保証人がいない場合の保証を含む住まい探し支援も案内されています。

ただし、

必ず希望する物件を借りられる、入居審査に必ず通る、というものではありません。

まずは、公営住宅やUR、公的な住宅支援なども含めて、ご自身とお子さんに合った方法を比較してみてください。

そのうえで、

「養育費の将来の未払いにも備えたい」

「住まい探しについても相談したい」

という場合には、このサービスが利用できるか確認する方法があります。

仕組みを先に知りたい方へ

ご自身が利用できるか確認したい方へ

まとめ|一つの方法でうまくいかなくても、住まいの選択肢はあります

ひとり親家庭の住まい探しでは、

「賃貸審査に通るか」

だけに目が向きがちです。

しかし、大切なのは、契約後も親子で無理なく生活を続けられる住まいを見つけることです。

民間賃貸で条件が合わなくても、

  • 保証会社を利用する物件
  • UR賃貸住宅
  • 公営住宅
  • 住宅セーフティネット制度
  • 居住支援法人
  • ひとり親家庭向けの住宅支援
  • 民間の住まい探し支援

など、別の道があります。

一つの物件、一つの不動産会社でうまくいかなかったからといって、住まい探しそのものを諦める必要はありません。

まずは利用できる制度や選択肢を知り、条件を確認しながら、ご自身とお子さんが安心して生活を続けられる住まいを探していきましょう。

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主な参考資料

  • 国土交通省「公営住宅の優先入居について」
  • 国土交通省「住宅セーフティネット制度」
  • 国土交通省「住宅確保要配慮者居住支援法人について」
  • UR都市機構「お申込み資格」
  • こども家庭庁「ひとり親家庭住宅支援資金貸付」

※本ページでは、住まい探しや公的支援について一般的な情報を紹介しています。入居条件、審査内容、募集状況、支援制度の対象要件などは住宅・自治体・制度によって異なります。最新情報は各住宅の管理者、自治体、国の公式情報等をご確認ください。